Fake? n’ MA$A$HI – ForMula [CD] Meditative Records (2018) 8月22日発売

『ヴァルハラ』の衝撃から9年。エレクトロニカからハードコアまでを 血肉としたアングラヒップホップの異形、8th wonderの2/3、 Fake?とMA$A$HIがタッグを組んで、再び新しいページを繰り始める。

 

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Fake?の焦燥は、311を経て、また別の形を取った。熱を匿いながら醒めているそのライミングを、MA$A$HIの冷たいビートがコーティング する。本作のリリックの多くは2010~2012年の間に書かれたものだ。寓話形式のリリックを追求するFake?は、従来のヒップホップの一人称 の私語りではなく、物語世界の登場人物の視点から綴るリリックも多い。それは311の影響を受けて書かれた、新しい命を迎える男の心境を 描いた「Onomatopeace」、ネグレクトのシングルマザーがヨガに目覚め平穏な生活を取り戻す「Yoganic」、アンドロイドとエイリアンと アナログな人間が、汚染された地球を離れ他の星を探しに行く「A+A+A」などにも顕著だ。その他にもエモーショナルなビートにSeiをフィー チャリングし、一方でラッパー側からの苦しみを、他方で声を失った女性ブロガーの妬みを二つの視点から描いた「Envy」や、Meiso率いる MedetativeクルーのMCたちを総動員したソウルフルなビートのポッセカット「Experi-Mental」なども聴きどころ。一方のMA$A$HIの ビートは、ピアノネタとブレイクビーツによるサンプリングの美学を追求した前半から、電子音を多用したスペイシーな後半へ向かって表情を 変えながら遷移する。Fake?のラップ曲とビートテープのようなMA$A$HIのインストビートが交互に現れる構成の本作は、両者のトーンが 相まって、全編通して渋く抑えたサウンドに貫かれている。

Fake? n’ MA$A$HI – ForMula

TRACK LIST :

1. 韻吐露-ダクション[inst.]

2. Final Colorz (feat. Authentic)

3. 夜中にフロアーでぼくはきみに話かけたかった[inst.]

4. Envy [Be End] (feat. Sei)

5. 緑の中の青[inst.]

6. Free Style (feat. chaos)

7. 懐古厨[inst.]

8. Experi-Mental (feat. Kuroyagi, きだはしや, MA$A$HI, Meiso, 2RABU & Candle)

9. 深夜四十八時間目[inst.]

10. Onomatopeace

11. ビトウス・ボルヘス・睦郎[inst.]

12. Slow Weather (feat. KSK & MA$A$HI)

13. 転ばぬ先の一拍目[inst.]

14. Yoganic

15. 幻遠視[inst.]

16. A+A+A [Analog x Android x Alien]

17. 九年間の深淵[inst.]

Fake?:

千葉県出身。MCのKSK、ビートメイカー兼MCのMA$A$HIと2000年に結成した8th wonderの一員としてマイクを握り、2007年に『焦燥EP』、2009年にアルバム『ヴァルハラ』をリリース。AuthenticとのユニットRare Metal Corpseや、EeMuとのユニットBUDDHA SLAVEとしても活動。

MA$A$HI:

批評家 /ビートメイカー/ラッパー。a.k.a. Nejel Mongrel。8th wonderやImmigrate Usでの活動の他、直近ではMeisoのアルバム『轆轤』をプロデュース。〈ゲンロン 佐々木敦批評再生塾〉初代総代。『ele-king』や『ユリイカ』誌などで音楽批評中心に 活動、『ゲンロンβ』で「アンビバレント・ヒップホップ」連載中。共著に『ラップは何を映しているのか』、翻訳に『J・ディラと《ドーナツ》のビート革命』。